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  • kks1961

プロダクトデザイン

代々煎茶をされているクライアント、そのアトリエのカウンターデザインの依頼を頂きました。

アリアナ建築事務所として、最初のプロダクトデザインのお仕事です。

とは言え、これまであまり煎茶と縁がなかった私。。。

まず、煎茶とはなんぞやと言う所から、クライアントに教えて頂いたり、自分で調べたり。

つい先日開催した町家ホテルYANAGIの内覧会でも、来てくれたお客さんに煎茶に触れてもらう企画で、

実際に作法を見たり、味わい、茶器に触れたりする機会があったので、自分の中で煎茶とはどんな

ものか、少し見えてきました。

「煎茶とは」

湯で煮出して成分を抽出する煎じ茶をいい、緑茶の一種だそうです。

僕たちが普段、急須に湯を注ぎ飲んでいるお茶と近いですね。

一言で煎茶と言っても沢山の流派があります。

クライアントの流派は黄檗売茶流という流派で、宇治の黄檗宗大本山の寺院、萬福寺が発祥だそうです。

茶道(抹茶)は日本独自のお茶文化ですが、煎茶は中国から海を渡り日本に来たお茶文化です。

作法も色々、茶器もいろんな種類がありますが、基本的には海外のティータイムのようにお茶を

楽しむ事を基本としています。

クライアントもたまに、バカラのグラスやワイングラスで煎茶を楽しむ事もあるみたいです。

僕たちは普段、喉が渇いた時にお茶をドリンクとして飲んでいますが、

煎茶は、お手前や煎茶の味、その時間を皆んなで共有して、おしゃべりしたりワイワイする、

お茶を楽しむ事を目的とする文化なんですね。

そんなこんなで、煎茶という文化に触れデザインしたカウンターがこちらです。

作法や形式が沢山あるのに、お茶を楽しむためならバカラやワイングラスでも飲んでしまう。

そんな、比較的自由な黄檗売茶流のアトリエに据えるカウンター、、、

なんとなく、四角く形式ばった形はいやだなあ、

もっと自由に動きのある形で表現できないか、

それに素材は、鉄や石など堅く重苦しいものじゃなくて、軽く親しみのある素材がいい。

そんな事を考えていると、カウンターの素材はやっぱりモク(木)!

軽くて、温かみがあって、柔らかい雰囲気。

それも、一枚板の節や木の育った形がそそまま残っているのがいい。

しかしそんな材、今時あるのか?

どこも丸太では売れないので製材で四角くしてと売れないし、そんな都合のいい材があるのか。

そんなとこからのスタートでした。

そして、カウンター材探しが始まったのですが、、

なんと、先輩に紹介してもらった材木屋さんで一発で気に入る材に出会いました(笑)

幅3.6m×奥行1m×厚0.08mの栃の一枚板です。

正直かなりいい材です。

これをカウンター天板に使用する事に決めました。

問題は脚のデザインです。

上からみるとかなり迫力のあるカウンター材ですが、

横からみるとただの薄い板に見えてしまいます。

逆に言うと、軽快な雰囲気ですね。

この軽快さを生かして、カウンターがふわっと浮いているようなイメージにしてはどうか。

横から見た時のインパクトも欲しいので、脚の一部は茶器をイメージした円錐台にする事にしました。

円錐台の周りに細かい格子を取付け、内部をライティングします。

茶器にはお茶が注がれているイメージで、格子の奥は赤く色を付けました。

そして、この円錐台の内部空間は収納として利用する事ができ、内部には電気ケトルや茶器などを収納できます。

だだし、この円錐台一つではカウンターは持たないので、もう一つ脚が必要です。

問題はこの脚です。

茶器に見立てた円錐台脚でインパクトは充分なので、もう一つの脚は出来るだけ

細く繊細な感じにしたいと考えていたけど、なかなかいい案が思い浮かびませんでした。

そんな時、町家ホテルYANAGIの内覧会で煎茶をするための予行練習が企画され、

僕もお邪魔した時、初めて煎茶の作法の一連を見させて貰いました。

その時の、一つ一つの丁寧な動きやそれぞれに与えられた役割の茶器の登場などとても新鮮でした。

夏だったので、茶器に茶葉と氷を入れ、湯を注ぎます。

その時の作法で、氷をお箸で器用につかみ、一つ一つ茶器に入れる場面がありました。

これは、日本の茶道にも、僕たちの普段の生活でもしない、煎茶独自の文化なんだと思います。

その作法を見て、思いついたのがお箸脚です。笑

繊細さと、煎茶独自の文化を表現するには充分な素材だと思いました。

ちょうど二膳のお箸を縦る形で、4脚の安定感があり、軽快な雰囲気の脚を作ります。

こんな一連の流れで、ようやくカウンターデザインが完成しました。

アルバイトの予定がなかなか合わず、久ぶりに腕をふるって作った僕の模型も良かったら

見て下さい。

aliana mino

栃の一枚板!!

めっさいい!

横からみると茶器とお箸が並んでいるように見える。

カウンターで煎茶の作法を表見している。

一枚板はふわっと浮いているように。

茶器。

氷を蓋で押さえて、蓋をしたまま隙間からお茶を楽しむ。

煎茶専用の手作りのお箸。

箸脚のデザインの元となったもの。

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